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女性のからだの悩みに寄り添い、一人ひとりに合った治療を

当科では、月経異常、更年期障害、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの一般婦人科診療に加え、尿もれや骨盤臓器脱などの女性骨盤底疾患の診療に力を入れています。
婦人科内視鏡手術では、お腹を切らない経腟腹腔鏡手術(vNOTES)、腟式手術、また骨盤底診療では、手術だけでなく骨盤底リハビリテーション、ペッサリーなど、症状や生活スタイルに応じた治療をご提案します。
「尿もれは年齢のせいだから仕方ない」「腟から何か出てくるけれど、どこに相談したらよいかわからない」など、一人で悩まずご相談ください。

 

当科の特徴

  • 尿失禁・骨盤臓器脱などの女性骨盤底疾患の診療
  • 婦人科疾患の腹腔鏡手術
  • 月経異常、更年期障害、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの婦人科診療

症状や検査結果をもとに、治療の選択肢をわかりやすく説明し、患者さんと相談しながら治療方針を決定します。

悪性腫瘍などの当院で対応できない疾患に関しては、兵庫医科大学附属病院や周辺の医療機関と連携しており、ご紹介させていただきます。

 

① 骨盤臓器脱でお悩みの方へ

腟から何か出てくる、下がってくる感じはありませんか?

「腟から何か出てくる」「陰部に何か挟まっている感じがする」「夕方になると下がってくる」などの症状はありませんか。
これらは、骨盤臓器脱の症状かもしれません。
骨盤臓器脱は、骨盤の中にある子宮や膀胱、直腸などを支える組織が弱くなり、腟から臓器が下がってくる病気です。年齢や出産などが関係しますが、症状や程度には個人差があります。
恥ずかしさから受診をためらう方も多いのですが、治療できる病気です。気になる症状があれば、当科にご相談ください。

こんな症状はありませんか?

• 腟から丸いものが出てくる
• お風呂で陰部に何か触れる
• 腟に何か挟まっているような違和感がある
• 長時間立つと下がってくる感じがする
• 尿が出にくい、排尿後もすっきりしない
• 排便しにくい、残便感がある

骨盤臓器脱にはどのような種類がありますか?

• 子宮脱: 子宮が腟の外側へ下がってくる状態
• 膀胱瘤: 膀胱が腟の前側から下がってくる状態
• 直腸瘤: 直腸が腟の後ろ側から下がってくる状態
• 腟断端脱: 子宮摘出後に腟の上部が下がってくる状態
複数の臓器が同時に下がることもあります。

どのような検査をしますか?

詳しい症状をうかがい、必要に応じて婦人科診察や排尿に関する検査などを行います。
症状だけでは判断できないため、診察で状態を確認することが大切です。

骨盤臓器脱の治療

症状や下垂の程度が軽い場合は、まず骨盤底筋トレーニングをお勧めします。当院では女性の理学療法士がマンツーマンで指導いたします。

中等度以上(腟口より外まで下垂)している場合は、ご本人の希望に応じて、ペッサリー療法や手術をご提案します。ペッサリーは様々な種類を準備し、できる限りご自身で脱着していただくことにより、腟の炎症を抑えて出血やおりものが起きないようにします。

手術では、腹腔鏡や腟式、メッシュ手術など、多種多様な術式に対応していますので、患者様の病状、希望、生活環境に応じた術式を選択できます。

当院の診療について

西宮渡辺病院 婦人科では、骨盤臓器脱の診断から、保存的治療、骨盤底リハビリテーション、手術療法まで、状態に応じた治療をご相談いただけます。
「手術が必要なのか知りたい」「できれば手術以外の方法を希望したい」という方もご相談ください。

ペッサリー治療について

骨盤臓器脱の保存的治療として、最もよく用いられる方法です。
当科では、様々なペッサリーを用意し、患者様の状態に応じたものを選択させていただきます。
また、長期間留置しますと腟粘膜に炎症がおきて、おりものや出血に悩まされることが多くなります。これを減らすため、できる限りご自身でペッサリーの管理をしていただけるよう、自己着脱の指導もしております。

🔶今後手術を考えたいけど今すぐはできないので、手術までペッサリーで治療したい方
🔶今のペッサリーで良いのかお悩みの方
🔶一度ペッサリーを入れてうまくいかなかったけど再度トライしたい方
🔶自己着脱しやすい器具をお探しの方

など、お気軽にご相談ください。

 当院で取り扱うペッサリー

クーパーサージカルジャパンHPより

・ウォーレス リングペッサリー
ポリ塩化ビニル製。最もよく使用される。

フジメディカルHPより

・Medgynシリコーンペッサリー
医療用シリコーン製で柔らかく自己着脱しやすい。様々な形状がある。

北里ヘルスケアHPより

・キタザトリングペッサリー
シリコーン樹脂製で柔らかく、ハンドル付きで自己着脱しやすい。

当科で行う骨盤臓器脱手術
  • 腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)
    メッシュを用いて、腹腔鏡で子宮や腟壁を挙上する方法です。
  • 腟式メッシュ手術(TVM)
    メッシュを腟から挿入して、膀胱や子宮を支える方法です。
  • 腟式子宮全摘+腟断端固定術
    腟から子宮を摘出し、腟の断端を挙上します。
    もともと子宮を支えていた靱帯に腟の一番奥を縫い付ける方法です。腟壁下垂もあれば、腟壁形成を追加します。
  • 腟式腹腔鏡下子宮全摘+腟断端固定術
    上記の方法を腟からの腹腔鏡で行います。腟から行うため腹部に傷はありません。
  • 腟壁形成術
    膀胱瘤や直腸瘤で腟壁が下垂した状態に、腟壁を縫い縮める手術です。他の方法と併用することがほとんどです。
  • 腟閉鎖術
    腟を閉鎖して臓器が下垂しないようにする手術です。子宮を摘出して完全に閉鎖する場合と、子宮温存のまま部分的に閉鎖する方法があります。
  • マンチェスター手術
    主に子宮脱の方で、子宮頸部が延長(長く伸びている)している方に行う手術です。延長した子宮頸部を切断し、子宮を支える靱帯を縫い縮めることで子宮を元の位置に戻します。
  • 子宮仙棘靱帯固定術
    主に子宮脱の方で、仙棘靱帯という骨盤深部にある硬い靱帯にかけた糸で子宮を吊り上げます。

 

 

②尿もれ・頻尿でお悩みの方へ

尿もれは、我慢せずに相談できる症状です

咳やくしゃみをしたときに尿が漏れる、急に尿意を感じてトイレまで間に合わない、夜中に何度もトイレに起きるなど、尿に関するお悩みはありませんか。
尿もれや頻尿は、加齢だけでなく、骨盤底の筋肉や組織の変化、膀胱の働きなど、さまざまな要因が関係します。
原因によって治療方法が異なるため、症状に合わせた診断が大切です。

■ 尿もれの種類
  • 腹圧性尿失禁
    咳、くしゃみ、笑う、走る、重い物を持つなど、お腹に力がかかったときに尿が漏れる状態です。
  • 切迫性尿失禁
    急に強い尿意を感じ、トイレまで間に合わず尿が漏れる状態です。頻尿や夜間頻尿を伴うこともあります。
  • 混合性尿失禁
    腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状がある状態です。

■ 原因

  • 出産による骨盤底筋のダメージ
  • 加齢による筋力低下
  • 更年期によるホルモン変化
  • 肥満・慢性的な咳・重労働

■ 検査

症状や排尿習慣についてお話をうかがい、必要に応じて尿検査、排尿日誌、尿の勢いをみる検査、残尿測定などを行います。
症状や検査結果に応じて、追加の検査を検討します。

■ 治療法

症状に応じて、以下を組み合わせて行います。

 保存的治療
薬物療法

切迫性尿失禁に有効です。

手術治療

主に腹圧性尿失禁に対して行います

  • 尿道スリング手術(尿道を支える手術)

尿もれや頻尿については、症状や原因を詳しく評価し、泌尿器科での診療が必要な場合には泌尿器科と連携して治療を行います。

■ 尿もれと骨盤臓器脱の関係

骨盤臓器脱に尿もれや排尿のしにくさが伴うこともあります。
骨盤臓器脱の治療をすることで排尿の問題がよくなる場合があるので、それぞれの状態を評価して治療方針を考えます。

■ 受診の目安

  • 尿もれで外出が不安
  • パッドが手放せない
  • 最近急に悪化してきた

「年齢のせい」と我慢せず、治療で改善できることが多い疾患です。お気軽にご相談ください。

 

 

 

③子宮筋腫や卵巣嚢腫があると言われた方へ

子宮筋腫

症状や大きさ、筋腫の場所に応じて

  • 経過観察
  • 薬物療法
  • 手術(腹腔鏡手術)

を選択します。子宮筋腫はとてもありふれた疾患です。個々の状況に応じて、適切な治療法をご相談させていただきます。

 

 

卵巣嚢腫

5〜6cm以上の場合は、ねじれて急にお腹が痛くなる(捻転)や破裂の危険性があるので、状況に応じて手術をお勧めします。基本的に腹腔鏡手術で行います。
嚢腫摘出(嚢腫部分のみ摘出し、正常部分は温存)か、附属器切除(嚢腫のある卵巣と卵管を一緒に摘出)を選択します。

 

 

子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢腫・子宮腺筋症)

痛みや不妊の原因となるため

  • ホルモン治療
  • 手術療法

を組み合わせて治療します。軽度の段階からホルモン治療により進行を抑制することが大切です。症状が強い場合や卵巣チョコレート嚢腫が大きい場合には手術を行い、その後再発予防のためホルモン治療をお勧めすることがあります。

 

当科で行う腹腔鏡手術

当科では、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などの婦人科良性疾患に対して、身体への負担が少ない腹腔鏡手術を行っています。

  • 専門的な技術と経験に基づく手術
    日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医が、患者さんの病状に応じた安全な手術を目指します。
  • お腹に傷が残らないvNOTES(経腟腹腔鏡手術)
    通常の腹腔鏡手術に加え、腟から手術器具を挿入して行うvNOTESにも積極的に取り組んでいます。お腹に皮膚切開を行わないため、腹部に手術の傷が残らないことが特徴です。
  • 患者さん一人ひとりに合わせた治療方針
    手術だけでなく、薬物療法などの手術以外の選択肢も含め、病状や患者さんのご希望に応じて治療方針を一緒に考えていきます。

婦人科疾患でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

vNOTES(経腟的腹腔鏡手術)

vNOTES(ブイノーツ:経腟腹腔鏡手術)は、腟から内視鏡や手術器具を挿入し、腹腔内の手術を行う方法です。
一般的な腹腔鏡手術では腹部に小さな切開が必要ですが、vNOTESではお腹を切らずに手術を行います。
ただし、すべての婦人科手術に適用できるわけではありません。また、手術の安全性や術後の経過は、病気の種類や手術内容、患者さんの状態などによって異なります。

 手術方法を選ぶ際には、患者さんの病状やご希望をうかがい、安全性を考慮して適切な方法を検討します。

 

 

④ 月経の異常や更年期でお悩みの方へ

月経異常
  • 月経不順
  • 過多月経
  • 月経痛

ホルモン療法や薬物療法を中心に、症状に応じた治療を行います。子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が隠れている場合がありますので、症状が持続する場合は受診をお勧めします。

更年期障害
  • のぼせ・発汗
  • 不眠・イライラ
  • 倦怠感

ホルモン補充療法(HRT)や漢方治療など、個々に合わせた治療を行います。

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