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具体的な診療疾患

胃がん

無症状でも検診で胃カメラをして見つかることが多い病気です。おなかの痛み・不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振、黒色便、体重減少で見つかることもあります。
術式は、胃の2/3程度を切り取る幽門側胃切除と胃全摘が中心です。食事量は1回当たりを減らし、分割摂取して補います。特に食べていけないものはありませんが、ダンピング症状には注意が必要です。がんの進行度合いによっては術後抗がん剤治療が必要となる場合もあります。

大腸がん

症状がなく検診の便潜血検査が陽性で大腸カメラをして見つかることも多い病気です。目に見える血便、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、お腹が張って便の残った感じ、貧血などで見つかることもあります。
治療は大部分の症例が腹腔鏡手術で行われています。直腸がんでは、術後に便の回数が増える場合がありますが、それ以外には食事内容など術前と変わるところはありません。がんの進行度合いによっては、術後抗がん剤治療をお勧めする場合もあります。

胆石

胆石でもっとも多いのは右上腹部痛です。右の背中にかけての痛みが出ることもあります。食後になんとなく胃の辺りが重く痛むという症状で、胆石による慢性胆のう炎が見つかることもあります。発熱を伴うものは急性胆のう炎であったり、黄疸の伴うものは胆管にまで結石が落ちている可能性があり、緊急処置が必要となる場合があります。
手術はほとんどの症例で腹腔鏡下胆嚢摘出が可能ですが、炎症の程度によっては開腹胆嚢摘出となります。胆嚢は摘出してもその後の生活にほとんど影響はありません。

胆のうポリープ

腹部エコーで偶然見つかることが多い病気です。1cm以上が手術適応のひとつといわれています。
良性の場合腹腔鏡下胆嚢摘出が可能です。

急性虫垂炎

右下腹部の痛み、発熱、吐き気が典型的な症状です。はじめは胃のあたりの痛みや不快感などはっきりしない症状ではじまることもあります。
軽い場合抗生剤治療で様子を見ることもあります。炎症が進んで腹膜炎を起こしたり、膿がたまってしまった場合、原則緊急手術となります。当院では全身麻酔下の腹腔鏡下虫垂切除を行う場合がほとんどです。

ヘルニア(いわゆる脱腸)

そけい部(またの付け根)が膨らみ、痛みや違和感があります。大人のヘルニアは自然に治ることはなく、症状の程度にもよりますが通常は手術が必要です。戻らなくなって腸が壊死すると緊急手術が必要となります。
手術は鼠径部の皮膚を切開してヘルニアの袋を処理してメッシュを固定する方法と、腹腔鏡下にメッシュを固定する方法があります。両側や再発には腹腔鏡下手術のほうが有利と思います。

肛門疾患

肛門の病気には主に下記の4つがあります。

痔核

俗に言ういぼ痔です。排便時の出血として最も頻度の高い疾患です。肛門の周囲の静脈がこぶのように腫れて出血する病気です。新鮮な赤い血が排便時に出ることが特徴です。大きくなると出て戻らないような状態で病院に来られます。

裂肛

俗にいう切れ痔です。便秘やかたい排便により肛門が切れた状態で出血します。痛みがあるのが特徴です。

痔瘻

肛門の周りに膿がたまった状態を肛門周囲膿瘍といいます。これに対して一旦切開排膿したあとトンネルのような形で肛門の周囲に膿が出る瘻孔を作ったものが痔瘻です。

直腸脱

小さい物は全周性の痔核と似ていますが、大きくなると直腸粘膜が肛門の外に飛び出してきます。高齢で肛門が緩んできた方に見られます。

検査方法

  • 上部消化器内視鏡
  • 下部消化器内視鏡
  • CT(2019年9月☆超低線量撮影、造影剤量低減を実現する新世代CT☆導入しました)
  • MRI
  • 腹部エコー

手術について

現在以下の手術を積極的に行っています(☆に対しては腹腔鏡下手術が基本です)

胃癌 ☆幽門側胃切除、胃全摘
潰瘍穿孔 ☆大網充填術
大腸癌 ☆結腸切除、☆直腸切除、☆直腸切断(Miles術)
結腸憩室炎 保存的加療または手術
虫垂炎 ☆虫垂切除
腸閉塞手術 ☆癒着剥離、小腸切除
胆石胆のう炎 ☆胆嚢摘出術
胆のうポリープ ☆胆嚢摘出術
ソケイヘルニア ☆ヘルニア修復術
腹壁瘢痕ヘルニア ☆腹壁瘢痕ヘルニア修復術
痔核、痔瘻 痔核切除術、痔瘻根治術
直腸脱 ☆直腸固定術
嚥下困難 胃瘻造設
化学療法、栄養不良に対してのCVポート造設
粉瘤など体表の腫瘤局所麻酔での切除

 

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