実績
2022年の麻酔科業績として手術室での麻酔管理件数は下記の示すように昨年の588件から717件と129件の大幅な増加であった。新型コロナウイルスの感染が長引く不安定な社会情勢・医療現場で手術件数は増加し、地域医療における当院の役割を維持することができた。
また、2022年4月から麻酔科常勤医師が1名新任し、昨年増設した手術室、新たな麻酔器と生体モニターを活用できた。これにより余裕を持った効率的で安全な手術室運営が可能になったのも今年の大きな出来事である。また麻酔法、麻酔関連薬剤の整理、緊急対応カート内の整理などを随時進めており、より安全で高度な麻酔科管理を目指している。
活動内容
2024年における麻酔科管理の手術件数は1,034件であった。手術室の増築と常勤麻酔科医の拡充によって、定期手術・緊急手術ともに増加している。
(2020年 第3手術室を新設、 2023年 第4手術室を新設)
麻酔方法
症例により全身麻酔に各種局所麻酔やブロックをいる。吸入麻酔のみではなく完全静脈麻酔(TIVA)もバランス良く行っている。整形外科領域の件数が多いため、脊髄クモ膜下麻酔も積極的に行っているが、高齢化に伴い認知機能低下、抗血小板薬や抗凝固薬内服患者が多く、術前評価を行い、全身麻酔で対応することも多い。
麻酔リスク分類
麻酔リスク分類は全世界的な術前患者評価であるASA-PSを使用している。当院では予定と緊急手術ともにリスクPS3が3分の1を占め全身系統的に中等度以上の障害を持つ患者が多い。今後も増々ハイリスク化が進むであろう。
年齢別評価
前年から引き続き症例の高齢化が著しい。15歳以上の全年代で増加している。特に50代60代は増加した。
80歳以上が症例のおよそ半数を占め日本全体の超高齢化社会を反映しており、今後もこの傾向は続くと予測される。超高齢者は合併症も多く、麻酔リスクも高いためこれに対応した対策をとって行く必要がある。