第6回 2025年6月25日 ときどき入院ほぼ在宅~緩和ケアセンターの役割と各病院の機能について~開催しました。
本格的な高齢社会を迎え、医療介護サービスの提供体制の見直しが進んでいます。これまでの入院医療は「病気を治す」ことに重点が置かれていましたが、今後は在宅医療や外来医療を含め、地域全体で患者さんを支える「地域包括ケアシステム」の構築が急務です。
介護が必要になった場合でも、住み慣れた自宅での生活の質を維持しながら、必要な医療を受けられるよう、在宅での個別ニーズに合わせた支援(「ときどき入院ほぼ在宅」)が専門職には求められています。
今回の研修では、これらの背景を理解するとともに、各病院、病床の機能や特徴を学び、今後の利用者支援に活かせる知識を深めました。さらに、在宅医療における緩和ケアの重要性と多職種連携の必要性を理解するため、緩和ケアセンターの役割についても学びました。
【講義内容・講師】
*緩和ケアセンターについて
兵庫医科大学 緩和ケアセンター 副センター長 乾 貴絵氏
*病院(病床)機能について
<急性期一般病棟>
兵庫県立西宮病院 地域医療連携センター 課長 小川 かおり氏
<地域包括ケア病床>
めいわリハビリテーション病院 地域包括ケア病棟 看護師長 浦田 ひとみ氏
<地域包括医療病床>
笹生病院 医療連携室 課長 大道 恵史氏
<回復期リハ病棟>
西宮協立リハビリテーション病院 総合支援課 課長 溝口嘉津子氏
<医療療養型病床>
北摂中央病院 地域医療連携室 主任 和田 智宏氏
<精神科病院>
有馬病院 地域連携アドバイザー 矢部 邦彦氏
今回は、83名の専門職の方々の参加がありました。
兵庫医科大学病院緩和ケアセンターの講義では、がん末期の方だけが対象ではなく、がんの初期から、また末期心不全の方(条件あり)にも苦痛や不安に対するケアが行われていることを知る事ができました。地域の支援者と繋がりチームで関わる事で、患者様を地域で生活する方としてとらえる事ができることや、地域の支援者に緩和ケアの役割を広めていく事が目標であると報告がありました。
急性期から在宅生活を支えるレスパイト入院や短期の回復期リハ入院、高齢者の急性期を受け入れる地域包括医療病床など、入院の対象となる疾患や病状など、各病院の特徴に沿ってわかりやすく説明されており、今回の参加者からは、医療との連携に大変役立つとの声が多く聞かれました。

参加者のアンケートからは、
・医療との連携を強化することが必要。
・病棟の機能、病院の特色を理解する事で、利用者さんに示す選択肢が増えた。
などの感想がありました。
「ときどき入院ほぼ在宅」が、住み慣れた地域で安心して生活と療養ができるスローガンとなるよう、今後も研修を企画してまいります。皆様、ご参加いただき誠にありがとうございました。
次回の参加を心よりお待ちしております。 (2025年6月報告)