脳疾患治療(入院について) /

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こんにちは。当院のホームページをご覧頂きありがとうございます。
当院は兵庫県西宮市の南の方にある、前浜町に位置する回復期病院(リハビリテーション病院)です。転入院をご希望の方は、地域医療連携室までご連絡ください。
「回復期」という言葉をご自身やご家族の方が脳卒中を始めリハビリが必要な状態になってから初めて聞いた、という方も多いのではないでしょうか。
西宮市のホームページによると、西宮市の人口はおよそ48万4千人、このうち65歳以上の方はおよそ11万5千人であり、少ない数字ではありません。(平成31年3月末時点)。
西宮県域の病院群の一員として、他の医療機関・介護機関と連携を取りながら、出来るだけ多くの皆様の健康、生活を支えて行くことが当院の大きな目標の一つです。
わが国の脳卒中の有病者数は約177万人と推定され、脳卒中を発症する方は年間約29万人、脳卒中により亡くなる方は年間約13万人、脳卒中は日本人の死因第3位、そして脳卒中は介護が必要になる原因の第1位となっています。
また、脳卒中になったことのあるこの約177万人のうち約1/3から1/4の方が65歳未満とも言われています。
早い時期からの発症リスクへの対策、もし万一発症した場合も早期発見が重要です。発症のリスク(危険性)を下げるために、日頃から運動習慣をつけ、かかりつけ医を持ち、血圧・血糖値・血中コレステロール値・肥満に気をつけていわゆる生活習慣病、メタボリックシンドロームを防ぐことが望ましいとされています。
脳卒中の急性期(発症してすぐ)治療は大きく飛躍を遂げています。命が助かって病状の進行が止まったあとは、出来るだけ早く、リハビリテーション(以下リハビリ、リハ)の強化に移る必要があります。
脳卒中の症状は数多く、麻痺や感覚の問題以外にも、摂食嚥下(食べる・飲み込み)、失語(言葉が出ない・分からない)・高次脳機能障害(注意の問題・空間の認識の問題・計画や実行の問題など)を始め様々な症状がみられます。
症状そのものの改善を目指すリハビリとともに、症状が残存する場合でもどのようにすれば住み慣れた地域に戻り生活できるようになるのか?を考え、患者さん、ご家族様と一緒に入院生活を進めて行くのも回復期病棟の役割のひとつです。
脳卒中の場合、発症して急性期病院に入院してから2ヶ月以内に回復期病院に転院するよう国の方針で決められています。また、多くは、病状が落ち着いたら速やかに転院してリハビリを受けることが推奨されるため、数週間以内に回復期病院へ転院される方も少なくありません。
急性期病院でもすぐにリハビリを受けることが増えていますが、急性期ではまず命が救われること、そして合併症を防ぎ廃用症候群(体を動かさず弱る)が進まないようにするのが優先される目的です。また、回復期病院ではより長時間のリハビリを受けることができるため、病状が落ち着いているならできるだけ早期の転院が望ましいと考えられます。
そして、転院されたら各担当スタッフにより入院時評価を行い、1週間以内を目安にスタッフと患者家族様とで初回カンファレンスを行い、現状説明・おおまかな見込み・リハビリの計画・介護保険を始め社会福祉情報などについて話し合いをします。
約1ヶ月毎にこのカンファレンスを繰り返し、目標や計画を皆で共有してゴールの達成を目指します。
自宅に帰られる方ばかりでなく、退院先として施設を選択される方もおられます。サービス付き高齢者住宅(サ高住)やグループホーム、介護老人保健施設(老健)、医療行為(点滴や痰の吸引など)が長期経過後も必要な方は療養型病院など、リハビリを出来るだけ頑張って受けて頂き、その方の達成できたゴールに合わせて、流動的に方向性(退院先とどのようなリハビリをすべきかなど)を模索して行きます。
脳卒中は発症から数ヶ月間が最も症状が改善しやすく、この時期に出来るだけ頑張って取り組んで頂くことが重要です。
リハビリには大きく理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)の3領域があります。体と精神両面の訓練に取り組んで頂きます。また、訓練時間はその方の症状や合併症などにより1日2時間〜多くても3時間ですが、厳密に言えばその訓練時間以外も、病棟での生活全てがリハビリにあたります。食事や着替え、入浴をはじめとした生活動作や、病棟での歩行練習などの自主トレを重ねることで、訓練時間に得た能力の定着を図ります。いわゆる、「できるADLをしているADLへ」することが退院後の生活に必要な過程です。
何より、どれだけの改善が得られるかは自主的な取り組み、モチベーションが大切です。能動的に生活することが出来るよう、ご家族様とともにスタッフ一同で支援にあたらせて頂きます。
必要な場合は、入院中より時間は少なくなりますが、退院後も外来リハビリを継続可能です。
また、義肢装具士と共同で診療にあたる装具外来(入院中・退院後)、脳卒中後の合併症である痙縮(腕・手・脚のつっぱり)に対するボトックス外来(退院後必要に応じて)を備えています。
当院にはまた一般外来診療として、循環器内科、糖尿病内科、整形外科、皮膚科、脳神経内科があります。入院中、もし合併症や既往症で問題が発生した場合、当院の外来受診や、関連病院の西宮渡辺病院、西宮渡辺心臓脳・血管センターに相談したり担当医判断にて受診して頂きます。(原則として他院受診は退院後になりますが、すぐに治療を要するものやリハビリに支障を来す可能性のある場合は担当医判断にて受診して頂く場合があります)
当院の外来部門は1階にありますが、こちらでは外来での心臓リハビリテーションを行なっております。関連病院の西宮渡辺心臓脳・血管センターで急性期の入院治療を受け、退院後に外来でのリハビリを継続する方が主に通院されておられます。
2018年12月、「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立されました。脳卒中や心筋梗塞などの循環器病の予防推進と、迅速かつ適切な治療体制の整備を進めることで、国民の健康寿命の延伸と医療・介護費の軽減を目指すものです。法案の正式名称は「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案」です。脳と心臓の健康を保つこと、発症や再発を予防することはこれからの時代より一層重要視されることの表れです。まだ脳卒中を発症していなくても、健診などで高血圧や高血糖を指摘されている方は、ぜひ、当院の内科外来を受診して頂ければと思います。また、関連病院の西宮渡辺心臓脳・血管センターの建物内にはメディカル・フィットネスの「健康塾」もありますので、普通のジムに通うには不安なので医療体制のもとで運動したい方などはぜひご利用下さい。
超高齢社会を迎え、歳を重ねるにあたり体力作り、発症予防、再発予防はますます大切になっています。
西宮渡辺病院、西宮渡辺心臓脳・血管センター、西宮渡辺心臓クリニックと連携して、地域の皆様方のお役に立つことが出来れば幸いです。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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