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当院の循環器内科は、高度な急性期治療が可能な西宮渡辺心臓脳・血管センターとの連携しています。

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循環器疾患とは

循環器疾患とは、血液を全身に循環させる臓器である心臓や血管などが正常に働かなくなる疾患のことで、大別すると、心疾患(狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患患や心不全)・高血圧・脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)・動脈瘤などに分類されます。

心疾患は日本における死因の第2位であり、脳血管疾患は第4位です。

また循環器疾患全体にかかる医療費は国民医療費の占める割合は第1位となっています。 生活習慣の改善による予防だけでなく、治療が長期化し患者の生活への影響も大きいことから、生活の質(QOL)の向上も重要視されるようになっています。

高血圧、LDLコレステロールの高値、喫煙、メタボリックシンドロームなどにより心臓の血管の動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こしやすくなります。

 

・ 虚血性心疾患

虚血性心疾患には、狭心症や心筋梗塞があります。

狭心症は動脈硬化などによって心臓の血管(冠動脈)が狭くなり、血液の流れが悪くなった状態です。 主に歩行などの動作をしているときに、胸を圧迫されるような痛みの発作が繰り返し起こり、数分以内におさまります。発作が起きたときには、冠状動脈を拡張する作用を持つニトログリセリンを舌下服用するとおさまります。 狭心症はなんらかの動作中に起こることが多いのですが、安静時に冠動脈のけいれんが起こり、狭心症の発作が起こる場合もあります(冠攣縮性狭心症)。

一方、心筋梗塞は、動脈硬化によって心臓の血管に血栓(血液の固まり)ができて血管が詰まり、血液が流れなくなって心筋の細胞が壊れてしまう病気です。 胸に激痛の発作が起こり、呼吸困難、激しい脈の乱れ、吐き気、冷や汗や顔面蒼白といった症状を伴うことがあります。 痛みは20分から数時間にわたることもあります。激痛は胸だけでなく、胃のあたりや腕、肩などにも起こることがあり、これを放散痛と言います。心臓の血管が一瞬で詰まると、突然死することもあります。

狭心症や心筋梗塞が疑われる場合、心臓カテーテル検査を行って、狭くなっているところや詰まっているところを見つけ、その部位で風船を膨らませて血管を拡張させるPCI(経皮的冠動脈形成術)や、さらにその部位にステントという器具を入れて固定する治療がよく行われます。 また、冠動脈バイパス手術が行われる場合もあります。

 

・ 虚血性心疾患の予防

虚血性心疾患の3大危険因子は、高血圧・LDLコレステロールの高値・喫煙です。またメタボリックシンドロームも危険因子の一つです。

健康診断でこれらを早めに見つけることが重要です。生活習慣では、喫煙のほか、動物性の油に多く含まれる飽和脂肪酸の取りすぎ、お酒の飲み過ぎ、食塩の取りすぎ、運動不足、ストレスが虚血性心疾患のリスクを高くします。一方、魚や野菜、大豆製品には、虚血性心疾患を予防する働きがあります。

・ 高血圧

高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。 もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されています。 高血圧自体は、過去数十年で大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民の二人に一人は高血圧です。

日本人の高血圧の最大の原因は、食塩の取りすぎ(目標値:10g未満)です。 若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒、運動不足も高血圧の原因です。 高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。

・ 脂質異常症

血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。 脂質異常には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常があります。 これらはいずれも、動脈硬化の促進と関連します。

LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライドのうち、メタボリックシンドロームの診断基準に用いられる脂質の指標は、HDLコレステロールとトリグリセライドです。 しかし、LDLコレステロールは単独でも強力に動脈硬化を進行させるため、メタボリックシンドロームの有無に関係なく、LDLコレステロールの値にも注意する必要があります。

 

・ メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。

日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。

動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、これら危険因子がいくつも重なれば、それぞれの程度は低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。

さまざまな機関がそれぞれの診断基準を提唱したため、メタボリックシンドロームの考え方にはいろいろなものがあります。 また国によっても異なります。大きく分けて、危険因子の重複を基盤にする考え方と、インスリン抵抗性や内臓脂肪を基盤とした考え方とがあります。 世界的には危険因子の重複を基盤にする考え方が主流となっていますが、日本では、内臓脂肪を基盤とした考え方を採用しています。 これは、肥満のうちでも、おなかの内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満(内臓肥満)」が、高血圧や糖尿病、脂質異常症などをひきおこしやすくし、これら内臓肥満と高血圧や糖尿病、脂質異常症が重複し、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。

日本では「特定健康診査・特定保健指導」の制度の中で、この考え方をとりいれています。特定健康診査は「メタボ健診」などと呼ばれることもありますが、メタボリックシンドロームだけを見つけるために行っているわけではなく、広く動脈硬化を予防するための検査が含まれます。

メタボリックシンドロームの用語は、メディアなどで俗に「メタボ」と省略されて使われることもあり、2000年代後半ごろより生活のなかでも耳にすることが多くなってきました。しかしながら、上記のような正しい意味で用いられず、単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で誤用されていることもよくありますので、正しい意味を理解することが大切です。

 

どんな症状の時、循環器内科を受診する?

循環器内科とは、心臓や血管に関連する症状や病気に対応しています。 以下のような症状がある方は、循環器内科の受診がおすすめです。

■ 胸痛

循環器内科に訪れる患者さんが訴える症状として多いのが胸痛です。狭心症や心筋梗塞などが原因の場合もある症状なので、胸が圧迫されている感覚や鋭い痛みを感じる方は、早めに相談しましょう。

 

■ 息切れやドキドキ感

息切れやドキドキ感も心臓でトラブルが起きている際に感じやすい症状です。心臓弁膜症などの可能性もあります。

 

■ 血圧に異常がある

会社などで実施されている健康診断で、血圧などに異常があるという結果が出た場合に、循環器内科を受診することもあります。

 

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