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人工関節センターについて

人工関節とは

人工関節は、高度に障害された関節表面を金属やセラミックなどでできた人工の関節で置換し、関節機能を回復させる手術です。関節の痛みの原因となっている部分を取り除くため、「痛みを取る」効果が大きいのが特徴です。
そのため生活の範囲や歩行能力が改善します。その結果、旅行やある程度のスポーツなど活動的な生活を取り戻すことが可能になります。
膝関節部痛では保存的加療(体重減少、膝周囲筋増強訓練など)やシップ、消炎鎮痛剤処方、あるいはヒアルロン酸関節注射をします。
それでも症状の改善がみられなければ、人工膝関節手術を考慮します。あくまでも手術は最終手段です。
次に人工膝関節手術に関してご紹介します。

TKAとUKA

人工膝関節手術には大きく分けて、2つあります。
膝関節を全部人工関節に置き換える全人工膝関節置換術TKA(Total Knee Arthroplasty)(図12)と悪い箇所だけを置き換える単顆型人工膝置換術UKA(Unicompartmental Knee Arthroplasty)(図34)です。

 

 

 

 

UKAの適応(この手術に適しているかどうか)はほぼ確立しており、人工膝関節全体の約40%以上の適応があります。
日本人はもともとO脚の方が多く、内側の軟骨が消失しO脚変形で来院する方が90%以上います。
日本全体では2011年から2022年にかけてTKAの症例数は1.39倍と伸びているのに対し、UKA2.83倍と大きく伸びてきています。
しかし、2022年時点で人工膝関節全体ではまだ、UKA比率は13.6%です(図5

これはUKAの適応と手術手技が難しいと敬遠されているため、UKAを行っている施設が限られていることが一因にあります。
UKAの適応と手術手技に関してはUKAマスターバイブルに詳細を書いています(図6)。

当院でのUKA比率は約40%です。
UKAでは膝関節の大きな4つの靭帯(内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯)が機能していることが適応の1つです。

TKAではほとんどの症例では前十字靭帯は術前より機能していないか術中に切除します。
後十字靭帯を切除する施設もあります。当院では後十字靭帯は温存します。

UKAでは術後もこの4つの靭帯が機能するため、TKAに比してより生理的な膝関節運動が可能であり、可動域も大きくなります。
当科でのTKAの術後屈曲角度は126°に比してUKAの術後屈曲角度は138°と有意に大きくなっており、長期成績も安定しています。

まずは術前検査で手術が必要かどうか、UKAの適応かどうかなどを診察します。
手術となれば丁寧に手術説明をさせていただきます(図7)。

 

手術は人工関節センターのチームで行います(図8)。是非当科へ来院ください。

 

 

西宮人工関節センター

平成21年4月より西宮人工関節センターが西宮渡辺病院内に新しく併設されました。
また令和4年現在、14年目を迎え、人工関節手術数も、累計 1,800例を超えました。

 

西宮人工関節センターでは 次の5つを実践しています

  1. 感染予防のため、手術場はBio Clean Room (BCR)で宇宙飛行士が着るような防護服を着用して手術を行っています
  2. 出血対策として回収式自己血輸血を行い、いわゆる他人からの輸血を回避しています
  3. 手術侵襲を最小限に抑える最小侵襲手術(MIS)を行い、手術翌日より歩行訓練開始など、早期リハビリテーションを行っています
  4. 深部静脈血栓予防のため、手術中から健側に、術後両側に弾力ストッキングとフットポンプを装着と術後早期リハビリテーションを行っています
  5. 術後疼痛に対して、術後2日間は経静脈的に自己調整による管理を行っています

 

2023年9月より、外来診療ブースが変更になりました。

  • 受付も会計も新しくなりました

  • 外来の看護師さんとクラークさん

新しい外来の待合室とリハビリテーションのスタッフ達

 

  •  福岡センター長の元、看護師とリハビリスタッフを対象に早朝から勉強会を開催しています。

 

 

西宮人工関節センターの特徴

術後も安心の定期健診

術後も定期的に外来にて、レントゲン検査など、健診を行います。

術後の感染症発症率0.3パーセント以下

当院の医師による高度な医療技術により術後の感染症発症率が0.3%以下を保っています。

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